極道に過ぎた、LOVE STORY
「はい。全てをお話しするには、もう一つ、お嬢にお話ししなければならない事があります」
「まだ、何かあるのか?」
「すみません。私がお嬢に始めて会ったのは中学の時です」
「はあ?」
思わず振り向いて、トモを嫌そうな顔で見下ろしてしまった。
「私の父は、そこそこ大きなIT関係の会社を経営してました。当時は注目され始めた業界で上手く行っていたのですが、悪い奴らに騙されて大きな借金を抱え倒産してしまいました。大勢の従業員や関係者に迷惑かけ、家も抵当に入り、もうにっちもさっちも行かなくて。
そのうち、倒産した噂も学校に広がり、友達も俺をさけはじめ、しまいにはいじめに逢うようになりました。その時、俺を助けてくれたのが、お嬢でした」
トモは、そこまでを頭を下げたまま一気に話した。
中学の時に、クラスでいじめにあっていた男子生徒の事を思い出した。でも、まさか、あの時のクラスの男子がまさかトモだったなんて思いもしなかった。
「ああ、あの時の…… なぜ言わなかった?」
「私は、ちゃんと名を名乗りました。でも、お嬢は、何も覚えていないようでしたので…… 私のような者の事など、お嬢が覚えていないのも仕方ないと」
「はあっー」
私は大きくため息をついた。それで、トモの顔を見た時、どこかで見たような綺麗な顔だと思ったんだ。綺麗な顔…… そう言われると、康とトモの顔は目のあたり似ている気がする。今更、そんな事に気付いても仕方ないが。
「結局、私は転校したのですが、その時、父を救ってくれたのが羽柴さんなんです」
「じゃあ、羽柴は知っていたのか?」
「私がお嬢の同級生だった事は分かっていました。そもそも、お嬢が私を助けて下さった事がきっかけで、羽柴さんは父に近づいたのです。ただ、康さんと兄弟だったことまでは……」
「でも、なぜお前はこの組に入ったんだ」
「父が、羽柴さんに頼まれた仕事は、組の人達にパソコンの使い方を一から教えて欲しいと言うもので、いずれはプログラマーになれるほどまでにとの事でした。はじめは、何かの詐欺に加担するのではと躊躇していたのですが、どうも株や通販サイトをするためのようだとわかり、借金返済に必要なお金を用立ててもらう条件で、轟川組に協力しました。意外に、組の人達は環境が悪く学ぶ場が無かっただけで、頭のいい人も多く、あっという間に力をつけました。今、IT関係を切り盛りしている部の幹部が私の父です」
「ああ、片山…… そうだったのか…… 知らなかった」
私はソファーに座ると、口に運んだコーヒーはすっかり冷めていた。
私は、知らない事が多過ぎた、いや、気づかない事が多過ぎたのだ。今まで、私は何を見てきたのだろう?
トモは、床に座ったまま話を続けた。
「まだ、何かあるのか?」
「すみません。私がお嬢に始めて会ったのは中学の時です」
「はあ?」
思わず振り向いて、トモを嫌そうな顔で見下ろしてしまった。
「私の父は、そこそこ大きなIT関係の会社を経営してました。当時は注目され始めた業界で上手く行っていたのですが、悪い奴らに騙されて大きな借金を抱え倒産してしまいました。大勢の従業員や関係者に迷惑かけ、家も抵当に入り、もうにっちもさっちも行かなくて。
そのうち、倒産した噂も学校に広がり、友達も俺をさけはじめ、しまいにはいじめに逢うようになりました。その時、俺を助けてくれたのが、お嬢でした」
トモは、そこまでを頭を下げたまま一気に話した。
中学の時に、クラスでいじめにあっていた男子生徒の事を思い出した。でも、まさか、あの時のクラスの男子がまさかトモだったなんて思いもしなかった。
「ああ、あの時の…… なぜ言わなかった?」
「私は、ちゃんと名を名乗りました。でも、お嬢は、何も覚えていないようでしたので…… 私のような者の事など、お嬢が覚えていないのも仕方ないと」
「はあっー」
私は大きくため息をついた。それで、トモの顔を見た時、どこかで見たような綺麗な顔だと思ったんだ。綺麗な顔…… そう言われると、康とトモの顔は目のあたり似ている気がする。今更、そんな事に気付いても仕方ないが。
「結局、私は転校したのですが、その時、父を救ってくれたのが羽柴さんなんです」
「じゃあ、羽柴は知っていたのか?」
「私がお嬢の同級生だった事は分かっていました。そもそも、お嬢が私を助けて下さった事がきっかけで、羽柴さんは父に近づいたのです。ただ、康さんと兄弟だったことまでは……」
「でも、なぜお前はこの組に入ったんだ」
「父が、羽柴さんに頼まれた仕事は、組の人達にパソコンの使い方を一から教えて欲しいと言うもので、いずれはプログラマーになれるほどまでにとの事でした。はじめは、何かの詐欺に加担するのではと躊躇していたのですが、どうも株や通販サイトをするためのようだとわかり、借金返済に必要なお金を用立ててもらう条件で、轟川組に協力しました。意外に、組の人達は環境が悪く学ぶ場が無かっただけで、頭のいい人も多く、あっという間に力をつけました。今、IT関係を切り盛りしている部の幹部が私の父です」
「ああ、片山…… そうだったのか…… 知らなかった」
私はソファーに座ると、口に運んだコーヒーはすっかり冷めていた。
私は、知らない事が多過ぎた、いや、気づかない事が多過ぎたのだ。今まで、私は何を見てきたのだろう?
トモは、床に座ったまま話を続けた。