極道に過ぎた、LOVE STORY
「轟川組の仕事をするうちに、父の会社を騙したのが、スカイグループを買収した梅森だと言うことがわかりました。スカイグループも父の会社もあくどいやり方で騙されました。梅森に復讐したい気持ちと、こんな悪質な組織は潰すべきだと思ったのです。

 それは、兄も同じす。私は轟川組に、医大生だった兄は警察学校へ行くと言って家を出たのですが、そのまま連絡が取れなくなりました。そして、数年ぶりにお嬢の友達として再会したのです。

名前も変えていたので、何か事情があって轟川組に近づいてるのだとすぐに察しました。

 でも、兄が絶対に恩のある轟川組を陥れる事はしない。ましてやお嬢を傷つける事もしない。それだけは分かってました」

 「そんな事は、わからないだろ?」

 「分かります。私がいじめにあっている事を、兄も知っていて心配してました。お嬢が私を助けてくれた時、たまたま転校の手続きに両親の代わりに来ていた兄も見ていたのです。だから、私も兄も、お嬢を裏切る事はしません。俺たち家族を貶めた奴らへの復讐と同時に、どんな危険があってもお嬢を守り抜くことが私達兄弟の誓いだと言っても過言ではありません……」

 声詰まらせ、床に置いた手をぎゅっと握るトモの姿をじっと見つめた。トモにはトモの覚悟があってこの組に入ったのだろう。

 だけど……


 「兄と再会してから、連絡を取り合うようになり、情報を共有してきました。申し訳ありません。どんな事情があるにしても、全て言い訳にしかなりません。お嬢に嘘をついていた事には変わりありません」

 トモは、床に頭をつけた。

 「話は、分かった……」


 「お嬢、落とし前をつけさせてください」

 私は、大きく息を吐いた。

 今の私に、何かを決断する力量があるのだろうか?

 何も知らず、何も気づけなかった私に、何が言えるのだろう……


 その時、リビングの扉が大きく開いた。

 「お嬢!」

 組の奴らが、一斉にリビングに入ってくると皆が床に膝をついて頭を下げ出した。



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