聖女のいない国に、祝福は訪れない【電子書籍化】
(なんだか、身体が重い……)
フリジアがぱっちりと瞳を開けば。
目の前には眠る前までは部屋にいなかったはずの狼がフリジアの上半身へ馬乗りとなり、頬をペロペロと舐めていることに気づく。
「遅れて来たんですね……」
「がう。がう!」
狼は彼女の言葉へ同意するように、嬉しそうな鳴き声を上げた。
「そう……。なんだか、すごく濡れています……」
「がる?」
「ちゃんと、乾かさないと駄目ですよ……」
「がう!」
フリジアはずぶ濡れの狼をこのままにはしておけないと、布団代わりにかけていたシーツを手繰り寄せ、身体を拭こうとしたのだが――狼はそれを嫌がったようで、彼女の上から飛び降りてしまう。
「待ってください……。どこに……」
「がう!」
狼が逃げて行った先にフリジアが今一番会いたくない人がいることに気づき、彼女は驚愕で目を見開く。
彼は獣と同じように全身が濡れており、ポタポタと落ちていく水滴が床に水溜りを作っていた。
フリジアがぱっちりと瞳を開けば。
目の前には眠る前までは部屋にいなかったはずの狼がフリジアの上半身へ馬乗りとなり、頬をペロペロと舐めていることに気づく。
「遅れて来たんですね……」
「がう。がう!」
狼は彼女の言葉へ同意するように、嬉しそうな鳴き声を上げた。
「そう……。なんだか、すごく濡れています……」
「がる?」
「ちゃんと、乾かさないと駄目ですよ……」
「がう!」
フリジアはずぶ濡れの狼をこのままにはしておけないと、布団代わりにかけていたシーツを手繰り寄せ、身体を拭こうとしたのだが――狼はそれを嫌がったようで、彼女の上から飛び降りてしまう。
「待ってください……。どこに……」
「がう!」
狼が逃げて行った先にフリジアが今一番会いたくない人がいることに気づき、彼女は驚愕で目を見開く。
彼は獣と同じように全身が濡れており、ポタポタと落ちていく水滴が床に水溜りを作っていた。