聖女のいない国に、祝福は訪れない【電子書籍化】
「……すまない。嫌な女のことを、思い出させてしまったな」
「いえ……。私が聖女と発覚する前まで、ニセラとは仲がよかったので……」
「君を悲しませたかったわけではないんだ」
「はい……。よく、理解しております……」
たとえ話を真に受ける必要はないと頷いたフリジアは、瞬きを繰り返して気持ちを切り替えようと試みる。
だが、いつまで経っても浮かない顔をしている彼女を待ちきれなかった彼は――フリジアの想像もつかない提案をした。
「俺とこうして話すことに、気後れするようなら。兄のように慕ってくれても構わない」
「兄上、ですか……」
「ああ。ずっと、妹が欲しかったんだ」
それに驚き顔を上げたことで彼が優しく微笑む姿を目にしたフリジアは、胸がズキンと痛むのを感じる。
(陛下が私に抱く好意は、家族愛なんだ……)
フリジアはセドリックから真っ直ぐな愛を向けられ、喜んでいた自身を恥じた。
「いえ……。私が聖女と発覚する前まで、ニセラとは仲がよかったので……」
「君を悲しませたかったわけではないんだ」
「はい……。よく、理解しております……」
たとえ話を真に受ける必要はないと頷いたフリジアは、瞬きを繰り返して気持ちを切り替えようと試みる。
だが、いつまで経っても浮かない顔をしている彼女を待ちきれなかった彼は――フリジアの想像もつかない提案をした。
「俺とこうして話すことに、気後れするようなら。兄のように慕ってくれても構わない」
「兄上、ですか……」
「ああ。ずっと、妹が欲しかったんだ」
それに驚き顔を上げたことで彼が優しく微笑む姿を目にしたフリジアは、胸がズキンと痛むのを感じる。
(陛下が私に抱く好意は、家族愛なんだ……)
フリジアはセドリックから真っ直ぐな愛を向けられ、喜んでいた自身を恥じた。