聖女のいない国に、祝福は訪れない【電子書籍化】
「この国の聖女になると決めれば、穏やかな日々は終わりを告げる。苦しくつらい経験をすることになったとしても。君は耐えられるのか」
「……はい。陛下のそばでなら、人間として過ごせると……確信しました……」
言葉を重ねる彼の表情は固く、フリジアは自信なさげにか細い声で力強い内容を口にする。
「私がアーデンフォルカ帝国の聖女になることを、陛下はお望みになりませんか……」
「いや。その決意は、俺が否定すべきものではない」
「ならば……」
それが余計に、彼の不安を煽るのだろう。
セドリックは彼女の手を取ると、悩んだ末にフリジアへ言い聞かせた。
「体調には人一倍、気を配ってくれ」
「……はい」
「癒やしの力を使う時は、俺がそばにいるときだけだ。それ以外の使用は許可できない」
「わかりました」
彼の条件に逆らうことなく頷いたフリジアは、やっと許可が出たと肩の荷を下ろそうとして――。
セドリックはまだ、何か言いたげに彼女を見下していることに気づく。
フリジアは不思議そうに彼を見上げると、三つ目の条件が彼の唇から紡がれるのを待つ。
「……はい。陛下のそばでなら、人間として過ごせると……確信しました……」
言葉を重ねる彼の表情は固く、フリジアは自信なさげにか細い声で力強い内容を口にする。
「私がアーデンフォルカ帝国の聖女になることを、陛下はお望みになりませんか……」
「いや。その決意は、俺が否定すべきものではない」
「ならば……」
それが余計に、彼の不安を煽るのだろう。
セドリックは彼女の手を取ると、悩んだ末にフリジアへ言い聞かせた。
「体調には人一倍、気を配ってくれ」
「……はい」
「癒やしの力を使う時は、俺がそばにいるときだけだ。それ以外の使用は許可できない」
「わかりました」
彼の条件に逆らうことなく頷いたフリジアは、やっと許可が出たと肩の荷を下ろそうとして――。
セドリックはまだ、何か言いたげに彼女を見下していることに気づく。
フリジアは不思議そうに彼を見上げると、三つ目の条件が彼の唇から紡がれるのを待つ。