聖女のいない国に、祝福は訪れない【電子書籍化】
「暇つぶしに書庫へ入り浸り、不必要な知識を得るのも問題だな……」
フリジアはしょんぼりと肩を落とした。彼の機嫌を損ねてしまったのではと怯えたからだ。
彼女はぽつりとか細い声でセドリックに疑問を口にした。
「歴代聖女の手記は、参考にならないのでしょうか……」
「残念ながらな」
「そうですか……。先代聖女を母に持つ陛下のお言葉は、書物より正しいに違いありません……」
皇帝の言葉は絶対だと、フリジアはそれ以上異を唱えることなく納得する。
(暇つぶしに本を読むことすらも難色を示されたら……これからどうやって過ごせばいいのか……)
無駄な言い争いはするべきではないとわかっていても、彼女の心は晴れなかった。
「フリジア」
「……はい……」
「君が長話をできるほど元気になって、本当によかった」
「ありがとう、ございます……」
彼女の表情が明らかに、先程の会話をきっかけに優れないと考えたのだろう。
彼の言葉を受けたフリジアは、先程まで落ち込んでいたのが嘘のような晴れやかな気分になる。
(クヨクヨしていては、駄目……)
彼女は前を向くために、彼へ頭を下げて謝辞を述べた。
「これからゆっくりと、ご恩をお返しいたします……」
「気にするな」
こうしてフリジアは、アーデンフォルカ帝国の聖女になると決めた。
フリジアはしょんぼりと肩を落とした。彼の機嫌を損ねてしまったのではと怯えたからだ。
彼女はぽつりとか細い声でセドリックに疑問を口にした。
「歴代聖女の手記は、参考にならないのでしょうか……」
「残念ながらな」
「そうですか……。先代聖女を母に持つ陛下のお言葉は、書物より正しいに違いありません……」
皇帝の言葉は絶対だと、フリジアはそれ以上異を唱えることなく納得する。
(暇つぶしに本を読むことすらも難色を示されたら……これからどうやって過ごせばいいのか……)
無駄な言い争いはするべきではないとわかっていても、彼女の心は晴れなかった。
「フリジア」
「……はい……」
「君が長話をできるほど元気になって、本当によかった」
「ありがとう、ございます……」
彼女の表情が明らかに、先程の会話をきっかけに優れないと考えたのだろう。
彼の言葉を受けたフリジアは、先程まで落ち込んでいたのが嘘のような晴れやかな気分になる。
(クヨクヨしていては、駄目……)
彼女は前を向くために、彼へ頭を下げて謝辞を述べた。
「これからゆっくりと、ご恩をお返しいたします……」
「気にするな」
こうしてフリジアは、アーデンフォルカ帝国の聖女になると決めた。