聖女のいない国に、祝福は訪れない【電子書籍化】
アーデンフォルカ帝国の聖女になると決めたからって、先代聖女の加護に守られているこの帝国に目に見えて変化が訪れることはない。
(効果が現れるのは、私達の誕生日……)
フリジアは暇さえあれば書庫へ通い詰め、聖女についての知識を蓄えた。
「聖女様は今日も、なんて麗しいんだ……!」
「しっ。婚約者様に好意を持っているなんて知られたら、陛下に斬り殺されるぞ!?」
「それもある意味ご褒美……ぐはっ」
「くだらないこと言ってないで、仕事しろ!」
時には騎士達から羨望の眼差しを向けられ、使用人達と会話を弾ませる。
フリジアは自由を満喫していた。
「セヌ……」
「はい、フリジア様」
「あなたは陛下のお母様に、お会いしたことはある……?」
「……はい。皇后様は、お嬢様によく似て……とても心優しき聖女様でした……」
セドリックに先代聖女との思い出を聞くのは憚られる。
フリジアが一番話しかけやすいのは、彼の次ならば侍女しかいない。
(……陛下は私とお母様を、重ねているのかもしれない……)
ズキズキと痛む胸を抑えながら、フリジアはセヌへ問いかける。
(効果が現れるのは、私達の誕生日……)
フリジアは暇さえあれば書庫へ通い詰め、聖女についての知識を蓄えた。
「聖女様は今日も、なんて麗しいんだ……!」
「しっ。婚約者様に好意を持っているなんて知られたら、陛下に斬り殺されるぞ!?」
「それもある意味ご褒美……ぐはっ」
「くだらないこと言ってないで、仕事しろ!」
時には騎士達から羨望の眼差しを向けられ、使用人達と会話を弾ませる。
フリジアは自由を満喫していた。
「セヌ……」
「はい、フリジア様」
「あなたは陛下のお母様に、お会いしたことはある……?」
「……はい。皇后様は、お嬢様によく似て……とても心優しき聖女様でした……」
セドリックに先代聖女との思い出を聞くのは憚られる。
フリジアが一番話しかけやすいのは、彼の次ならば侍女しかいない。
(……陛下は私とお母様を、重ねているのかもしれない……)
ズキズキと痛む胸を抑えながら、フリジアはセヌへ問いかける。