【Quintet】
「ありがとうございました。またいらしてください」

数分の待ち時間の後に女性店員から袋を渡された。

「お金払っていませんけど……」
「お会計はお連れの方が。かっこよくて素敵な彼氏さんですね。あんな風にさらっとお会計を済ませるなんて……。羨ましいです」

 女性店員はまだ顔を赤らめている。彼女は沙羅と悠真がカップルだと思い込んでいた。
彼氏じゃないと焦って否定するのも妙で、勘違いされたまま沙羅は悠真と店舗を出た。

「これ……買ってくれたの?」
『沙羅に似合っていたからね』
「でもこんな高い物……」
『俺が沙羅に買ってあげたいと思ったんだ。それに俺を誰だと思ってる?』

ニヤリと笑った悠真の整った顔が近付いてくる。アップで見るイケメンの顔は心臓に悪い。

「……UN-SWAYEDのYUUMA?」
『正解。沙羅へのプレゼントを買っても問題ないくらいには稼いでるよ。だからソレ受け取って欲しいな』
「ありがとう」
『その笑顔が見たかった』

 彼のとろけるような甘い笑顔を見せられると、心の奥がきゅんと疼く。彼の笑顔に宿る既視感。
今なら聞ける気がした。
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