【Quintet】
 話に聞いていた通り顔は星夜とそっくりだ。イケメンがひとり増えてしまった。

『元気そうだな』
『晴さんも悠真さんもお久しぶりです』

テーブルの前まで来た純夜は晴と悠真に頭を下げた。初対面の沙羅は立ち上がって挨拶をする。

「はじめまして。葉山沙羅です」
『えっ……どうも。星夜の兄の結城純夜です』

 純夜は沙羅の存在に驚いていた。沙羅のことは星夜からも伝わっていなかったようだ。

『もしかして誰かの彼女だったりします?』
「へっ……いや、その……」
『残念ながら沙羅は誰の彼女でもないぜー。今のところはな?』

色気を孕んだ星夜の流し目で見つめられた沙羅は言葉に詰まって赤らんだ顔を伏せた。

『なるほど。星夜が狙ってる子か』

高園兄弟も悪巧みの顔はよく似ているが結城兄弟も似ている。純夜のニヤリと笑った顔は星夜と瓜二つだ。

『……海斗。久しぶり』
『ああ』

 ぎこちなく話しかけた純夜への海斗の態度は素っ気ない。意図的に空席にされた海斗の隣に純夜は腰を降ろした。

『忙しいのにこんな所まで来てくれて、また海斗と会えて嬉しいよ。ありがとう。……星夜とは兄弟だからこその甘えっつーか、星夜はこんな俺でもいつかは帰って来いって言ってくれてさ。でも海斗にはそんな甘えは通用しないって思ってる。今さら友達に戻るなんて……出来ないよな……』

沙羅達は事の成り行きを見守る。海斗と純夜の関係の修復だけは、星夜にもどうすることもできない。
< 238 / 433 >

この作品をシェア

pagetop