【Quintet】
 悠真は持っていた湯呑みを置いて桜を見据えた。

『……桜ちゃん』
「は、はいっ!」
『君が知ってしまった以上は俺達の仕事を隠し立てはしないよ。俺達がUN-SWAYEDであること……例えば、君の彼氏の弟がUN-SWAYEDのSEIYAだと誰かに話したりした?』
「そんなこと話していません! 親にも友達にも話していません。これからも絶対に話しません……!」

泣きそうな顔で首を左右に振る桜に悠真は穏やかに微笑した。

『嫌な言い方をしてごめんね。でも俺達も遊びで音楽をしているんじゃない。俺達の素性を世間に秘密にしているのもビジネスのひとつだ。桜ちゃんにも純夜にもそこは理解してもらいたい』
『もちろんです。悠真さん達が本気で音楽をやっているのは俺もわかっています』
『ありがとう。……桜ちゃん、純夜の彼女である君を信用してお願いしたい。俺達がUN-SWAYEDであることは今後も誰にも言わないで欲しい』

 悠真は桜に向けて頭を下げた。UN-SWAYEDのリーダーに頭を下げられた桜と純夜は動揺している。

「悠真さん、あの、頭上げてくださいっ! 誰にも言いません! お約束します。口約束が心配なら誓約書でも何でも書きますから……!」
『そこまでしなくていいんだ。12月まで秘密を守ってくれさえすればいいよ』
『悠真……? 12月って……何?』

 悠真が放った12月のワードに反応したのは晴だ。沙羅も、海斗と星夜も怪訝な顔をしている。
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