【Quintet】
同じオレンジ色でも沙羅のミモザよりも赤っぽいオレンジだ。
『あの渋谷のマンションがどうして上に部屋が四つあるか、本当の理由知ってる?』
「お父さんには客室用だって聞かされていたけど違うの?」
『行成さんは俺達四人を住まわせるつもりで最上階の上に四つの部屋を作ったんだ。俺達が家族になって沙羅を守れるように。今ならお父さんの気持ちは沙羅も理解できるよね』
同居を渋る沙羅を父は必死で説得していた。
──“彼らは沙羅の家族だよ”── 今は父の言葉の意味もわかる。
「あの部屋は最初から悠真達のために……」
『客室としての利用は俺達が引っ越すまでの繋ぎだ。この春に海斗と星夜が大学を卒業するタイミングで行成さんからそろそろうちに来ないかと話が来た。ちょうど行成さんもアメリカの会社からの誘いがあった頃で、沙羅をひとりにしてしまうと気にしていたんだよ』
何故、四つも部屋を作ったのかずっと疑問だった。自分と父の二人暮らしならば部屋数はいらない。
客室としての利用も数ヶ月に一度あるかないかだ。だから悠真達が同居するまで、あの四つの部屋はほとんど使われていなかった。
「お父さんがマンションを買ったんじゃなくて作っちゃったのは、私と悠真達を一緒に住まわせるためだったんだ」
『怒った?』
「同居したばかりでこんな話聞かされていたら、怒ってたよ。渋谷にマンション作っちゃったのも最上階に部屋を四つ作ったのも悠真達との同居も、ぜぇーんぶ、お父さんの計画的犯行だもん。だけど今は怒れないなぁ」
口元を押さえてクスクス笑う沙羅が愛らしい。抑えきれない想いを隠して悠真はカクテルのグラスを傾けた。
『あの渋谷のマンションがどうして上に部屋が四つあるか、本当の理由知ってる?』
「お父さんには客室用だって聞かされていたけど違うの?」
『行成さんは俺達四人を住まわせるつもりで最上階の上に四つの部屋を作ったんだ。俺達が家族になって沙羅を守れるように。今ならお父さんの気持ちは沙羅も理解できるよね』
同居を渋る沙羅を父は必死で説得していた。
──“彼らは沙羅の家族だよ”── 今は父の言葉の意味もわかる。
「あの部屋は最初から悠真達のために……」
『客室としての利用は俺達が引っ越すまでの繋ぎだ。この春に海斗と星夜が大学を卒業するタイミングで行成さんからそろそろうちに来ないかと話が来た。ちょうど行成さんもアメリカの会社からの誘いがあった頃で、沙羅をひとりにしてしまうと気にしていたんだよ』
何故、四つも部屋を作ったのかずっと疑問だった。自分と父の二人暮らしならば部屋数はいらない。
客室としての利用も数ヶ月に一度あるかないかだ。だから悠真達が同居するまで、あの四つの部屋はほとんど使われていなかった。
「お父さんがマンションを買ったんじゃなくて作っちゃったのは、私と悠真達を一緒に住まわせるためだったんだ」
『怒った?』
「同居したばかりでこんな話聞かされていたら、怒ってたよ。渋谷にマンション作っちゃったのも最上階に部屋を四つ作ったのも悠真達との同居も、ぜぇーんぶ、お父さんの計画的犯行だもん。だけど今は怒れないなぁ」
口元を押さえてクスクス笑う沙羅が愛らしい。抑えきれない想いを隠して悠真はカクテルのグラスを傾けた。