【Quintet】
『そうだな。“良い話”ではないよ。話は夕飯の後がいいな。悠真の肉じゃがを台無しにしたくない』
『わかった。皆、聞いてたな。夕飯の後リビング集合。ちなみにもうできるから海斗は食器出して、晴は盛り付け手伝え。沙羅と星夜は先に座って待ってな』

料理のできない海斗と晴が悠真の指示でテキパキ動く様子を眺めていると、家に帰ってきたと実感する。ここが星夜の我が家だ。失いたくない居場所だ。

 本日のメイン、悠真特製の肉じゃがに向けて五人揃っての“いただきます”。星夜は海斗とは話さなかったが、悠真や晴は普段通り星夜に話しかけている。

沙羅だけは全く会話を交わさない星夜と海斗を盗み見しつつ、固い表情で笑っていた。

 全員で夕食の片付けを済ませたタイミングで悠真がセットしたコーヒーメーカーが音を立てる。沙羅はミルクたっぷりのカフェオレ、四人はブラックで、五人分のコーヒーがリビングのテーブルに並んだ。

 リビングには南と東に大きな窓があり、渋谷の夜景が一望できる。景色を楽しめるように配置されたコの字型の大きなソファーの中心部に腰掛けたのは沙羅と星夜。

沙羅の斜め向かいに晴と悠真が、星夜の斜め向かいに海斗が座った。
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