【Quintet】
なす術もない海斗は項垂れて星夜を突き放し、ソファーに崩れ落ちた。
『……沙羅、怖い思いさせてごめんね。おいで』
ソファーに座り直した星夜が沙羅を呼ぶ声にも、素直に従って星夜の胸元で泣きじゃくる沙羅の姿にも、嫉妬心が芽生えた悠真はほとほと自分が嫌になった。
今は星夜に嫉妬している場合ではないのに。
UN-SWAYEDのリーダーとしての感情と星夜の兄代わりとしての感情、さらには沙羅への感情の狭間で悠真もまた、苦悩していた。
無言のリビングに電話機の音が鳴り響いた。携帯電話をひとり一台所有する事が当たり前となった時代に、自宅の固定電話宛てにわざわざ連絡を寄越す行いも珍しくなっている。
家主の沙羅が固定電話に駆け寄った。しかし彼女は表示された電話番号を見た途端に受話器に伸ばしていた手を引っ込めてしまった。
『沙羅? 電話出ないのか?』
動きを止めた沙羅を怪訝に感じた晴が声をかけても沙羅は答えない。相変わらず呼び出し音のメロディは鳴り響いている。
沙羅は恐る恐る受話器を持ち上げた。
「……はい。……沙羅です」
沙羅の声色は誰が見てもわかるくらいに震えている。
「……わかりました。私もお祖父様にお話があります」
沙羅が“お祖父様”と呼ぶのは葉山一族当主、葉山栄吉。電話の相手が葉山家の人間であると悠真達も勘づいた。
「……はい。ええ、その日で。……失礼します」
四人は固唾を呑んで電話を受ける沙羅を見守る。電話を終えた彼女は四人に顔を向けずにリビングを出ていった。
『……沙羅、怖い思いさせてごめんね。おいで』
ソファーに座り直した星夜が沙羅を呼ぶ声にも、素直に従って星夜の胸元で泣きじゃくる沙羅の姿にも、嫉妬心が芽生えた悠真はほとほと自分が嫌になった。
今は星夜に嫉妬している場合ではないのに。
UN-SWAYEDのリーダーとしての感情と星夜の兄代わりとしての感情、さらには沙羅への感情の狭間で悠真もまた、苦悩していた。
無言のリビングに電話機の音が鳴り響いた。携帯電話をひとり一台所有する事が当たり前となった時代に、自宅の固定電話宛てにわざわざ連絡を寄越す行いも珍しくなっている。
家主の沙羅が固定電話に駆け寄った。しかし彼女は表示された電話番号を見た途端に受話器に伸ばしていた手を引っ込めてしまった。
『沙羅? 電話出ないのか?』
動きを止めた沙羅を怪訝に感じた晴が声をかけても沙羅は答えない。相変わらず呼び出し音のメロディは鳴り響いている。
沙羅は恐る恐る受話器を持ち上げた。
「……はい。……沙羅です」
沙羅の声色は誰が見てもわかるくらいに震えている。
「……わかりました。私もお祖父様にお話があります」
沙羅が“お祖父様”と呼ぶのは葉山一族当主、葉山栄吉。電話の相手が葉山家の人間であると悠真達も勘づいた。
「……はい。ええ、その日で。……失礼します」
四人は固唾を呑んで電話を受ける沙羅を見守る。電話を終えた彼女は四人に顔を向けずにリビングを出ていった。