二人で紡ぐLOVE STORY
「―――――もしかして、あんた睦月の彼氏?」

「え?
あ、え、えーと…―――――」
「…………そうだけど?
それが、何か?」

睦月の声に被せるように臣吾が睦月を抱き寄せ、ヒデヤに言い放った。

「え?臣吾く……」

何かを察したように臣吾が目で合図を送る。

「嘘だろ…!!(笑)
つり合わねぇー!!(笑)」

臣吾の言葉に、ヒデヤがバカにしたように笑い出した。

「は?」

「こんなイケメンと、睦月が?
いやいや、さすがにないだろ…!!(笑)」

「………」
「………」
(さすがに、酷い…)

確かにヒデヤの言う通り、超絶イケメンと地味女ではつり合わない。

でもこんな面と向かってはっきり言われると、やはり傷つく。
それに、そこまで言われる筋合いない。  

「あんた、悪いことは言わねぇからやめておけよ!
あんたなら、もっと良い女捕まえられるからさ!」

すると………

「睦月ちゃん、家に行っててくれない?
すぐに追うから!」
臣吾が安心させるように微笑み、優しく背中を押した。

「え?でも……」

「良いから!
ね?
大丈夫だから、僕の言う通りにしてくれる?」

「うん、わかった」

睦月が、パタパタ…と駆けていく。
そして睦月が、曲がり角を曲がったのを確認すると………

―――――――!!!!?

シュン…と風を切り、一瞬で臣吾がヒデヤの口元を掴み上げた。

「んんっ!!!
んーー!んーー!」

「俺の女を侮辱すんじゃねぇよ…下衆…!!」

「んーーー!!!」
ヒデヤは突然の出来事にびっくりして目を見開き、口元を掴まれているので声が出せない。
しかも、臣吾の雰囲気があまりにも恐ろしくて震えている。

「つかお前、何様?
俺の女に気安く話しかけんな」

「んー!んー!!」

そしてブン…!と投げるように、ヒデヤを地面に叩きつけた。

「消えろ、下衆」

「あ…あ…す、すんません!!」

「今度俺の睦月の前に現れたら、その命ないと思えよ?
別にお前のような下衆一人がいなくなったところで、誰も気づかない」
ヒデヤに顔を近づけ、覗き込む。
そして、手をピストルにして心臓を指差した。

「すんませんでした!!!」

ヒデヤは地面に何度も頭をこすりつけて謝り、逃げるように去っていった。


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