二人で紡ぐLOVE STORY
“一緒に帰ろう”と言われ、睦月はドキドキしながらその幸福を噛み締めていた。

色んな話をした。

こんなに長い時間、臣吾と話をするなんて初めてで、臣吾と食べ歩きの趣味や料理にハマっていることが同じなのがわかった。

「びっくりだな!
睦月ちゃんとこんな趣味が合うなんて!」

「私も/////」

「じゃあ、今度一緒にフェスに行かない?」

「え!?」

「再来週、ご当地グルメフェスがあるの知らない?」 

「知ってるよ!
一人で行こうと思ってたとこ(笑)」

「じゃあ、行こうよ!
花瑛に断れたんだよね…(笑)」

「でも、良いのかな?
花瑛ちゃん、嫌がらないかな?」

「大丈夫だよ!」

「………」

なんとなく、臣吾の様子がおかしい。
だって前に“花瑛が幼なじみと二人で出掛けることで”喧嘩になっていたからだ。

“僕以外の男と、二人で出掛けるのはやめてほしい”という臣吾と“幼なじみだし、受け入れてほしい”という花瑛。

『束縛しないで!』
そう花瑛に言われていたのだ。

なのに、今“二人で出掛けよう”と誘われた。

(あ、それとも!
静ちゃんと光仁くんもいるとか?)


「――――あ、私…ここで……」

色々考えていると……駅に着き、立ち上がった睦月。
臣吾との会話が楽しくて、つい…切ない声色になる。

「あ…送るよ!」

「え……」

「ね?ほら、降りよう!」

臣吾が電車を降りてしまい、睦月は慌てて追いかけた。

「し、臣吾くん!!」

「ん?」

「悪いし、良いよ!?」

「もう少し話そうよ!
睦月ちゃんと話してると、楽しいから!」

「え……うん、その気持ちはとっても嬉しいけど…」

微笑み見下ろす、臣吾。
睦月も微笑み返しながら、複雑な思いに囚われていた。

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