二人で紡ぐLOVE STORY
「――――へぇー、パン作りか!」

「うん、今一番ハマってて…!
だからね。
休みの日は、三食パンなの(笑)」

「そっか!
フフ…
食べてみたいな!」

「ほんと!?」

「うん!」

「じゃあ…今度、持っていくね!」

「うん!楽しみにしてる!」

「フフ…嬉しいな!
じゃあ…上手くできた時に連絡……あ!」
(臣吾くんの連絡先、知らないや…!)

静恵と花瑛の連絡先は知っているが、臣吾と光仁の連絡先は知らない睦月。

直接連絡するようなことはないし、なんとなく静恵と花瑛に悪い気がして聞いてないのだ。

「花瑛ちゃんに、連絡するね!」

そう言うと、臣吾がスマホを操作し「ラ○ン交換しよ?」と言ってきた。

「え……でも…」

「ね?」

「花瑛ちゃんに聞いてから…」

「どうして?」

「だって、花瑛ちゃんは嫌かもだし…」

「でも、花瑛は光仁や他にも男友達がいて、連絡先知ってるよ?
僕だって、シズや他にも連絡先を知ってる女の子いるよ?」

そう言われ、睦月は臣吾と連絡先を交換した。

「ん?この、アイコン…」

「あ…今までで一番上手くできた、ロールパンなの(笑)」

「へぇ~、売り物みたいに綺麗だね!」

「そう?
フフ…ありがとう!嬉しい!」

「……/////」

嬉しそうに笑い見上げてくる睦月に、臣吾の胸がトクン…と跳ねた。

「ん?臣吾くん?」
睦月が心配そうに顔を覗き込んできて、臣吾は軽く頭を振り微笑んだ。

「…………ううん!
パン、楽しみにしてるね!」


――――――――――
――――――…………………
「臣吾くん、わざわざありがとう!」

「うん!また、大学でね!」

「うん!
気をつけてね!
臣吾くん、とってもカッコいいから逆ナンとかされるかもだし(笑)
変な人に連れてかれるかも?(笑)」

「フフ…大丈夫だよ!
これでも、力にも自信があるから!」

「フフ…」

「………」

「………」

「………ん?睦月ちゃん?
家、入らないの?」

「あ、臣吾くんを見送りたいの。
行ってくれる?」
(せめて、余韻に浸りたい……)

「あ、うん、わかった!
じゃあね!」

「気をつけてね!」

小さく手を振る睦月に、臣吾も手を振り歩き出した。
曲がり角を曲がる前、振り向くと睦月が小さく手を振りながら微笑んでいた。

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