【完】同棲ギブアンドテイク〜スパダリ部長と秘密の同棲始めました〜
それでも…今から職場に戻る勇気など持ち合わせていない私は更なるワガママで彼を困らせる。
「でもっ…私、何も言わずに帰ってきちゃったし…今から戻っても気まずくて仕事なんて、」
「……誰が、お前を会社に連れ戻すなんて言った?」
「だって…まだ業務時間なのに、、」
「お前の上司である俺が今、同じようにここに居るんだ。芳野が悪いことなんて、何一つない。」
私は、そんな風に言って貰えるような人間じゃない。今は良くてもこの先きっと、ノロマな私にイラついて嫌気がさすに決まっている。
嫌われる前に離れたい。ガッカリされる前に辞めてしまえばこれ以上惨めな思いをしなくて済む。
恩知らずだと思われても仕方ないが…これが私の生き方なんだ。
「もうっ…辞める、、仕事も…ここで部長と秘密の生活を続けるのも…疲れたっ。もう…辞めたい、です」
入社した頃はそれなりに憧れみたいなものがあって、キラキラした社会人生活を送ることを夢見てスーツに袖を通したが、、
働いてみると知らないことばかりで、ミスをするのが怖くて踏み出す勇気なんて日に日に無くしていくばかりだった。
それでも私を見捨てなかった部長に、これ以上失望されたくないんだ。もうこれ以上頑張りたくない。……辞めたい。