国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
その日の夜、ニーナとフェルディナンドはゆっくりと食事をしながら水晶についての議論を行った。
腰を据えて食事をするのは久しぶりだった。

「単純に数を増やしたり大きい物を使ったりしたんだけど、あまり効果はなかったんだ」
「そう……。透明度が高いものが良いのかしら? あぁ、使った時のことを思い出せれば良いのに。役に立たなくてごめんなさい」
「何を言っているんだい? 日記に記録を残してくれただけでも十分だよ。それに、少しは僕にも手柄をくれなきゃ、大賢者の名が泣くよ」

フェルディナンドが大真面目に冗談を言うものだから、ニーナは可笑しくてたまらなかった。

「ふふっ、じゃあ私が先に水晶の秘密を見つけてみせるわ。それでフェルには泣いてもらおうっと」
「へぇ、僕もニーナに負ける気ないけど?」

二人は顔を見合わせて同時に吹き出した。

(こんなに笑ったのはいつぶり? ちゃんと休まないとダメね)

最近張り詰めすぎていたのだと、ニーナはようやく自覚したのだった。


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