国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「お前が弟子だって? ……いや、それより森の不思議な現象ですか? それは気になりますな。一体何があったのですか?」

白々しい声色に、ニーナは確信した。

(この人……知っていたんだわ。セレンテーゼ帝国が瘴気に悩まされていたことに)

フェルディナンドも気づいたようだ。
ニーナに目配せすると、王子たちに顔を寄せて声をひそめた。

「これは内密に願いたいのですが……実は、森に瘴気が発生したのです」
「瘴気が? なんと! セレンテーゼ帝国にそんなことが……」
「ですが、弟子のニーナが解決策を見つけましてね。帝国は平穏を取り戻したのですよ」

フェルディナンドがにこやかに伝えると、アレクサンドロスとマリアは顔が真っ青になっていた。

「大賢者様、お話はそれくらいで。隣国の方々を驚かせてしまいますわ」
「あぁ、それもそうですね。立ち話が過ぎました。では僕たちはこれで……」
「まっ、お待ちくださいっ!」

立ち去ろうとすると、アレクサンドロスがニーナの肩を掴んだ。
何か言おうと口をパクパクさせている。

ニーナはその手を一瞥すると、困惑したような表情を作る。

「まだなにか? ……あぁ、もしかしてご気分が悪いのですか? 顔色が優れませんね。どこか別室を用意してもらいましょうか」


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