国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「殿下、人に物を頼む時は、それなりの誠意が必要だと思います。そのように上から命令して、私が聞き入れると本気で思っていたのですか?」
ニーナは小さな子どもに言い聞かせるように、優しい声色でアレクサンドロスに語りかけた。
アレクサンドロスは悔しそうにしながらも、ニーナに向かってほんの少し頭を下げた。
「わ、悪かった。だから……戻って来てくれ」
「無理です」
「おいっ! 下手に出れば調子に乗りやがって!!」
「話を最後までお聞きください」
再び激昂したアレクサンドロスに対して、ニーナは変わらず優しい声色で話し続ける。
「今私が戻れば、殿下とマリア様のお立場はどうなりますか? 民衆の怒りは、私の追放を先導したお二人に向くでしょう。それは避けたいのでは?」
「ぐっ……確かに」
「ですから私が戻るのは非現実的です」
「じゃ、じゃあせめて、お前がセレンテーゼ帝国内の瘴気を浄化した方法を教えてくれ……! 聖女でなくても浄化が出来るのだろう? それが分かればマリアの負担を減らせるのだろう?」
(きたっ……!)
アレクサンドロスの言葉にニーナは内心ガッツポーズをした。
ニーナは目を伏せると、困ったような顔をした。
「方法はありますが……セレンテーゼの瘴気がルティシアの瘴気と同じとは限りません。もし同じなら、同じ方法で浄化出来るでしょうが……」
「それなら大丈夫だ! セレンテーゼの瘴気はルティシアのものと同じで間違いない!」
「あら、どうして断言出来るのですか? 確信がおありのようですね」
ニーナの言葉に、アレクサンドロスはようやく自分の失言に気がついたようだ。
彼の顔は青ざめ、汗が滲んでいる。
ニーナは小さな子どもに言い聞かせるように、優しい声色でアレクサンドロスに語りかけた。
アレクサンドロスは悔しそうにしながらも、ニーナに向かってほんの少し頭を下げた。
「わ、悪かった。だから……戻って来てくれ」
「無理です」
「おいっ! 下手に出れば調子に乗りやがって!!」
「話を最後までお聞きください」
再び激昂したアレクサンドロスに対して、ニーナは変わらず優しい声色で話し続ける。
「今私が戻れば、殿下とマリア様のお立場はどうなりますか? 民衆の怒りは、私の追放を先導したお二人に向くでしょう。それは避けたいのでは?」
「ぐっ……確かに」
「ですから私が戻るのは非現実的です」
「じゃ、じゃあせめて、お前がセレンテーゼ帝国内の瘴気を浄化した方法を教えてくれ……! 聖女でなくても浄化が出来るのだろう? それが分かればマリアの負担を減らせるのだろう?」
(きたっ……!)
アレクサンドロスの言葉にニーナは内心ガッツポーズをした。
ニーナは目を伏せると、困ったような顔をした。
「方法はありますが……セレンテーゼの瘴気がルティシアの瘴気と同じとは限りません。もし同じなら、同じ方法で浄化出来るでしょうが……」
「それなら大丈夫だ! セレンテーゼの瘴気はルティシアのものと同じで間違いない!」
「あら、どうして断言出来るのですか? 確信がおありのようですね」
ニーナの言葉に、アレクサンドロスはようやく自分の失言に気がついたようだ。
彼の顔は青ざめ、汗が滲んでいる。