国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「あの、大賢者様、お弟子様! 妻の意識が回復しました! 少し話した後、また眠ってしまいましたが……どこも痛くなかったようです。本当ありがとうございました!」

喜びを溢れさせた男性が、薬草庫に飛び込んできた。
その迫力に押されたニーナは、「よ、良かったです……」としか言えなかった。

「お二人はこんな夜中までお仕事を? 俺で良ければお手伝いしますよ! 今日は興奮して眠れそうにありませんので!」
「あ、えっと……じゃあ、この辺りの薬草の数を数えてくれますか?」
「任せてくださいっ!」

男性はダンリと名乗った。彼は手伝いをしている間、ずっとお礼の言葉を述べていた。

「本当にどうしようかと思ったんです。夜中に妻が倒れるなんて初めてだったし、医者は見つからないし……。大賢者様方がすぐに対応してくださったから、妻は助かったのです! 本当に俺と妻は幸運でした!」

あまりに絶賛するので、普段は民の前で威厳ある雰囲気を保っているフェルディナンドですら、顔が少しほころんでいた。

「ダンリ、もっと言ってやってくれないか。ちょうど彼女は自信喪失中なんだ」
「そ、そんなことはありません。十分お礼のお言葉をいただきましたよ」

ニーナが遠慮したにもかかわらず、ダンリはニコニコ笑いながら「いくらでも語ります!」と張り切りだした。



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