国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「まずですね! 俺がなぜ大賢者様のもとに助けを求めたかというと、街の薬屋とパン屋が言っていたことを思い出したからなのです。『大賢者様のところに来た新しいお弟子様がとても親切だ』と!」
「えぇ……薬屋さんとパン屋さんが……?」
「そうですとも! 最近困っているところにお二人が颯爽と現れて、問題を解決してしまったのだと伺いました! 弟子の女性がとても親身だったと、口をそろえて言っていましたよ」
「あ、ありがとうございます」

真っ直ぐな瞳で語りだしたダンリに、ニーナはたどたどしくお礼を返す。
それでもダンリの勢いは止まることはない。

「大賢者様って、我々の悩みを解決するというよりかは、政治に関わる方というイメージが強かったのですよ。だけど! お弟子様が来てから変わったと、親しみやすくなったと、皆が噂していますよ。お二人は本当に噂通り親切でした! こんな夜中に突然来たのに、嫌な顔一つしなかったのがその証拠です」
「ははは、ニーナが来てから確かに人との交流は増えたな」

フェルディナンドが笑い声を漏らすと、ダンリはますます興奮したように続けた。




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