国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
ご婦人から聞きだした大賢者の塔は、さほど遠くない場所にあった。

「ここか。随分と高い塔ね」

目の前にある塔はものすごく高く、何階建てなのか分からない。
かなり古い建物だが、頑丈そうだ。重厚そうな扉は訪問者を拒絶しているようにもみえる。

ニーナは軽く深呼吸をして扉を叩いた。

コンコン

「……誰だ?」

ノックをしてからしばらくすると、扉の奥から低く冷たい声が返ってきた。

「突然のご訪問失礼します。ニーナ・バイエルンと申します。ルティシアから来ました。弟子にしてください!」
「……」

ニーナは門前払いを覚悟していたが、まさか全く反応してもらえないとは思っていなかった。

「お願いします。どうか話だけでも……賢者になりたいんです!」

返事はない。
ニーナはそっと扉に触れると、祈るように囁いた。

「私……空っぽなんです。学びたいんです。知らなきゃ、小さな女の子一人救えない」

その時、カチャリと音がした。
ニーナが慌てて扉から離れると、扉が開かれる。

出てきたのは、想像していたよりもずっと若い男だった。

(この人が大賢者様……? お弟子さんかしら?)

キラキラと輝く銀髪の青年が、鋭いダークブルーの瞳でニーナを見つめている。
すらりと背が高く、彫刻のような顔立ちに、ニーナは思わず見とれてしまいそうだった。


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