国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「殿下、今一度よくお考えください。今は帝国に争いを仕掛けるべきではありません。国中一丸となって、瘴気や病と闘うのです」
「だが……俺は……」

アレクサンドロスが躊躇していると、皇帝が大きなため息をついた。

「なんだ、つまらん。こちらとしては争っても構わんのだが」
「陛下、民をお守りいただきたいと、以前お願いしましたね。聞き入れてくださったはずです。お守りいただけないのなら、私はもう失礼させていただきますよ」

ニーナは皇帝にも厳しい視線を向ける。

(約束を違えないでちょうだい。私が納得する判断を下すと言ったのだから)

皇帝は分かったと言わんばかりに両手を小さく上げた。

「本来の聖女は器が違うな……ははは。安心しろ、争いにもならんだろう。さてアレクサンドロスよ、ひと月だけ時間をやろう。自国の身の振り方をよく考え、ルティシア国王に意思を伝えよ。次はお前からではなく国王からの返事を期待しよう」
「お、俺では不満なのか!? 俺は国王陛下から外交を一任されているのだぞ!」

大人しくなっていたアレクサンドロスが再び怒り出す。

(もぉー!!)

ニーナが頭を抱えていると、大司教の笑い声が聞こえた。

「ほっほっほ、陛下は手厳しいですなぁ……。しかし、我が国の代表が取り乱したのは事実。どうですかな、一度この二人には退出いただいて、話し合いを続行しませんか? 私が代理を務めましょう。アレクサンドロス殿下は少し休んだ方が良い」



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