国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「そんなこと……本当に可能なの? それならどうして聖女は……不老不死になるの?」

大司教は懐から水晶を取り出すと、ニーナに差し出した。

「聖女は神の力を分け与えられた存在ではありません。ただ一人の少女が水晶化しただけなのです」
「水晶化?」
「人間を水晶にしてしまうことをそう呼びます。水晶は老いたり病んだりしないでしょう? 初代ルティシア国王が、悪魔と契約して手に入れた力とされています。瘴気・瘴気を出し入れ出来る特殊な水晶・少女を水晶化する方法。それらは全て悪魔からもたらされたもの。……というのが大司教のみに伝えられる言い伝えです。まあ半分はおとぎ話でしょうがね。大司教はこの秘密を抱え、瘴気をコントロールする役目を担ってきました」

にわかには信じがたい内容に、ニーナは何も言えなかった。

「大司教としてその言い伝えを聞いた時、私は決意しました。この国を終わらせるべきだと。聖女を生贄にしてのうのうと生きているこの国の人間は、罰を受けるべきだと! それこそが真に神に仕える者の役目だと!」

(そういえばこの人、大司教になる前から熱心な信徒だったわね……)

恍惚とした表情で天を仰ぐ大司教を見て、ニーナはぼんやりと思い出した。




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