国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「うぅ……ダメ。アレクサンドロス様は悪くないわ。ごめんなさい……私が悪いの。私、貧乏な男爵令嬢である自分が嫌だった。大司教様に『殿下と結婚すれば、一生金に困らない。貴女にはチャンスがある』って言われて……それでアレクサンドロス様に近づいたの。でもっ、本当に好きになっちゃって、騙されても良いから聖女になりたいって……。最初はそれだけだったの。でもどんどん自分が醜くなって……貴女にひどい事をしたわ。貴女はあんな痛みに耐えていたのに……私なんて一度も浄化出来なかったのにっ……」

マリアはボロボロと涙を流して話し始めた。

(やっぱりマリアを殿下に近づけたもの大司教なのね)

聖女の力を吸い取る水晶をマリア渡すよりずっと前から、大司教は計画を動かしていたのだ。

「マリア、貴女の力は後で消してあげる。だからもう聖女じゃないわ。ただのマリアとして、殿下に話すことがあるでしょう?」

アレクサンドロスは、ニーナとマリアのやり取りを目を丸くして見つめていた。
ニーナはマリアをアレクサンドロスの方に押し出す。

「マ、マリア……正気に戻ったのか?」
「アレクサンドロス様……申し訳ありません。私っ……貴方にもひどい事を……自分勝手なことを言いました。貴方を苦しめたのは私です。申し訳ありませんでした」

泣きながらアレクサンドロスに頭を下げるマリア。

アレクサンドロスは何かに耐えるようにじっと立ち尽くしていたが、やがてはじけるように彼女をさっと抱きしめた。

「いいんだマリア! 俺もすまなかった。もっと君の苦しみに寄り添うべきだったんだ……。俺が馬鹿だった」

ニーナは二人が謝罪し合う様子を見て、そっと部屋を出た。




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