国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
(あの二人は愚かだったけど、改心の余地があるかも……)

二人が抱きしめ合う光景を見ていたニーナは、ふとフェルディナンドを思い浮かべた。

「フェルはどうしているのかしら? とっても疲れたし……すごく会いたいわ。会って話がしたいのに」
「ここにいるよ」
「え?」

背後から声がして振り返ると、そこには息を切らしたフェルディナンドの姿があった。

「フェル! どこに行っていたの? 一週間も顔を合わせていなかったわ」
「兄さんとともにルティシアで、ちょっとね」
「マーティス様とルティシアに?」
「大司教の持つ資料を押収しに行っていたのさ。彼が今回の首謀者だって父から聞いてね」
「そうだったの……。それにしては随分早かったのね」

大聖堂には大司教しか入れない場所が複数ある。
おそらくそこを捜索したのだろう。

数日で捜索出来る範囲ではない。
教会や国王の許可取りを考えれば早すぎる。

「はは、まだ途中だけど、兄さんに任せて帰ってきた。ニーナが心配で……」
「私?」
「確かにニーナには真実を知る権利があるけど……今回ばかりは父に文句を言ったよ」

ため息をつきながら「父は強引すぎるんだ」と呟くフェルディナンドがおかしくて、ニーナは思わず笑みをこぼした。

「ふふっ、心配してくれてありがとう。ねぇ、今日は一緒に帰れるかしら?」
「もちろん。帰って一緒にゆっくりしよう」
「えぇ。……フェルがいてくれて良かった」
「何?」
「何でもないわ! ほら陛下に挨拶して帰りましょ」



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