国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「またニーナ宛に手紙が来ていたよ。父から」
「もう……何度言ったって貴族にはならないわ」
「君を政治に参加させたいんだろうね」
「私はただの賢者がいいの。お断りの手紙を書いておくわ」

ニーナは自室に戻るとため息をついた。

「何度言っても、貴方のもとでは働きませんから」

そっと呟くと、ニーナは手紙を書き始めた。

(大司教に入れ知恵をしたのは多分皇帝陛下。私の生き方とは相容れないわ)

ニーナはこのことをフェルディナンドにも話していない。

(フェルと彼は違うもの。それに、多分フェルは気づいてる。でも私のために黙っているんだわ)

「次の代、いつかマーティス様が皇帝になった時、先代と同じ道を歩まないようにしてやるんだから! それまでは政治には関わらないって決めたんだから!」

さらりと断りの手紙を書き終えた時、扉がノックされた。

「ニーナ、そろそろ出かけようか。準備出来てる?」
「もちろんよ! 今日からルティシアの方へ行くのよね。久しぶりだわ」

今日からは各地の生活状況を視察に行くのだ。
帝国の従属国となって貧困化が進む地域があれば、対策をしなくてはならない。

「よし、行きましょう!」

ニーナとフェルディナンドはマーティスに用意してもらった馬車に乗り込むと、のんびりと旅路を楽しんだ。



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