国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「僕は弟子を取ったりしていないのですが、ニーナ様が賢者になりたいのなら少し手助けをしましょう」

フェルディナンドは立ち上がってニーナに手を差し伸べた。
窓から入る光を受けて、フェルディナンドが神々しく輝いている。この手を取れば救われるだろうという説得力があった。

ニーナも立ち上がると、両手でフェルディナンドの手をぎゅっと握った。まるで神に祈りを捧げるように。

「ありがとうございます! 力を失った今、生きていくための知恵が必要なんです。老女ですけど、気持ちは若いつもりで頑張りますからっ!」
「……ふっ」

ニーナはいたって真面目に言ったのだが、フェルディナンドは可笑しそうに吹き出したのだった。

「ちょっと、笑わないでくださいよ」
「申し訳ありません。気持ちだけでなく、見た目もお若いですから。……ふふっ」

笑いをかみ殺しているフェルディナンドは、まるで子供を慈しむような目でニーナを見ている。

「では、まずは塔の中を案内しましょう」

彼は声を少し震わせながら、ニーナを部屋の外へと連れ出した。



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