国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
フェルディナンドはそっとニーナの肩に触れ、マーティスの方に向けた。

「ニーナは今、僕の弟子です」

その紹介にニーナの心が躍る。

(弟子? 今、弟子って言った? ついに認めてくれたのね!)

飛び上がりそうになるのを必死に我慢したが、口角が上がるのは抑えられなかった。
幸いなことに二人には気づかれていない。
 
「そうか、ついにフェルディナンドが弟子をねぇ。大きくなったな」

マーティスは感慨深そうに頷いていたし、フェルディナンドは意を決したような表情をしていて、ニーナのにやけ顔を見ていなかったからだ。

特にフェルディナンドは、先ほどまでホッとした顔をしていたのに、今は緊張感を漂わせている。

「ですから、ニーナのことは……」
「分かってるよ。お父様には報告しない」

フェルディナンドの重たい口調を遮るように、マーティスはきっぱりと言い放った。

「ルティシアに動きがあったから、意見を聞きに来たんだ。元聖女様を脅かすためじゃない」

マーティスの言葉に、フェルディナンドはふうっと溜息を吐いた。
ニーナの肩に置かれていた手の力が緩まる。いつの間にかかなり力が込められていたようだ。

「それなら良いですが……ルティシアの動きとは?」

マーティスはニーナやフェルディナンドを座るように促し、今までとは違う真面目な顔をした。



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