国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
やる気を取り戻してから三日後、ニーナは自身の日記にとある記述を見つけた。

「これ……そうだ、すっかり忘れていたわ」

日記と本を数冊引っ掴むと、ニーナは実験室へと向かう。

「フェル! これを読んでみて。私、聖女になりたての頃に水晶を使った浄化をしたことがあったの」
「え! 水晶を? 本当かい?」
「ええ。ここを見て」

ニーナは自身の日記を指さした。

『今日はマハン高地の浄化に向かった。崖の上から崖下に渦巻く瘴気を浄化しなければならず、途方に暮れてしまった。触れられなければ浄化出来ないのに……。大司教様に相談の手紙を出さないと』

『大司教様から水晶が送られてきた。これを手に持って浄化の儀式を行えば、少し離れたところの瘴気を浄化出来るみたい。明日やってみよう』

『マハン高地の浄化がようやく終わった。まさか水晶をかざすだけで浄化出来るなんて……。力を使った気がしないわ。ともかく終わって良かった。国境でもない地に瘴気が発生して、皆が不安がっていたから。あぁ、ここには長居しすぎた。明日には次の街へ向かわないと。黒くなってしまった水晶は、どうしようかしら』

フェルディナンドは日記を読むと、長いため息を吐いた。


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