国に尽くして200年、追放されたので隣国の大賢者様に弟子入りしました
「どうかしたの? まだ問題があるの?」
「ただの水晶で森全体を浄化するのは非現実的なんだ。浄化はゆっくりだし、あまりにも時間がかかり過ぎる」
「そんな……やっぱり聖女じゃなきゃ無理ってこと?」

(日記にもこれ以上詳しいことは書いていなかったし……ここで手詰まりなの?)

ニーナは肩を落とした。
簡単に解決出来るとは思っていなかったが、予想以上の困難さだ。

「そんなに落ち込まないで」

フェルディナンドは笑いながらニーナの肩にポンと手を置いた。

「一歩前進したんだから喜ばないと。改良の余地があるってだけだよ。少なくとも浄化方法は見つけられたんだから」

フェルディナンドの表情は柔らかく、焦りや不安は一切なさそうだ。

(フェルはいつも私の気持ちをすくい上げてくれる……)

「そうね……私、水晶の加工について調べてみるわ! なにか加工をすれば効率が上がるかも」

そう言ってベッドから降りようとすると、フェルディナンドは肩に置いていた手に力を込めた。

「どうしたの?」
「ニーナ……少し痩せたね。まだ休まないと駄目だよ。綺麗な顔がこんなに痩せこけてる」

心配そうに頬を撫でられると、ニーナの身体は熱を帯びた。
不摂生でカサカサになった肌に触れられるのは恥ずかしい。

「え、えっと……大丈夫よ。さっきまでずっと眠っていたのだし。というより、フェルに言われたくないわ。最近ずっと遅くまで起きてること、知ってるんですからね!」

ニーナが熱を誤魔化すようにフェルディナンドの顔を指差すと、彼は困ったように苦笑いをした。



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