俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~

信号が青に変わり一斉に動き出した流れの中、蒼真は思いついたように微笑んだ。

「高校時代によく通っていた店が近いから昼はそこで食べないか? チーズたっぷりのピザ。ベーコンも旨いんだ」

「いいですね。食べたいです」

蒼真は高校時代、なにを食べてなにに笑っていたのだろう。

蒼真のことを、もっと知りたい。

胸に広がる思いに戸惑いながら、里穂はつないだ手に力を込めた。




結婚後、通いで店を続ける里穂の負担を考えて店の閉店時間を早めただけでなく、水曜日が定休日になった。

雫と恭太郞から提案された時には料理を楽しみに通う常連を気にかけ乗り気でなかった里穂も、いざ始めてみると身体がラクなだけでなく精神的にも余裕が生まれるとわかり、正解だったと納得した。

普段後回しにしている家事を片付けたり、気分転換にピアノを弾いてみたり。

今日のように蒼真と待ち合わせてランチを楽しむこともできる。

【蒼真さんに教えてもらったカフェに着きました。待ってますね】

里穂は蒼真にメッセージを送り、口元を緩めた。

朝食の時に今日は佳也子の誕生日プレゼントを買いに出かけると告げた里穂を、蒼真がランチに誘ってくれたのだ。

今日は出張も会議もなく終日本社にいるらしく、昼休みに出てきてくれるらしい。

待ち合わせの時間まであと十分。里穂はそわそわしながら店内を見回した。

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