俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
写真越しに「これで大丈夫よ」という優しい声が聞こえてきそうなほどの愛情が伝わってくる。

「これのどこが問題なんですか? まさかメディカルメイクが特集されたのが常務の気に障ったとか?」

里穂は首をかしげ、蒼真に問いかけた。

今日の昼間、蒼真が予約していた和食料理を食べられたのはいいものの、その場で常務がカフェに突然押しかけてきた理由を聞く余裕はなく、蒼真の帰宅を待って説明してもらうことにしたのだ。

今こうして夕食を取りながら説明を受けているが、里穂はいまひとつ理解できずにいる。

いくらメディカルメイクが気に入らなくても、人の目があるカフェにいきなり押しかけてまで、里穂に不満をぶつけるとは思えない。

「問題はその写真じゃないんだ」

蒼真は苦笑し、テーブルを回って里穂の隣の椅子に腰を下ろした。

「実は社内で話題になっていて……これだ」

蒼真がタブレットの画面に新たに表示させたのは、杏の写真でもメイクの写真でもなく、グランドピアノを弾く里穂の隣でぴょんぴょん跳びはねている花音。

ただし、後ろ姿だ。

そして写真の端には里穂たちを眺めている蒼真が映っている。

「え、まさかこの写真がHPにアップされたんですか?」

里穂の問いに、蒼真がうなずいた。

「もしかして」

里穂は途端に顔色を変えた。

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