俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
ふたりの口から具体的にその話が出たことはないが、付き合い始めて一年以上が経ち、あれだけ仲がいいのだ、そろそろそういう流れになってもおかしくない。

「そうですよね。恭太郞君が雫に今夜プロポーズしても不思議じゃないですし」

すると桐生が食事の手を止め「プロポーズならとっくに済ませてるが」と言って首をかしげた。

「とっくに?」

「はい。まさか聞いてなかった……みたいですね」

桐生は口ごもる。

「結婚の話なんて全然。家柄の差で結婚できないのかと母も私も最近心配していて」

恭太郞自身が気にしていなくても、やはり家柄の差は大きい。

雫には聞けずにいるが、恭太郞の家族に反対されているのかもしれないと気がかりなのだ。

「家柄は関係ありませんよ。笹原なら恭太郞の家族も賛成するはずです」

桐生は家柄という言葉に反応し、きっぱりとそう口にする。

「そうですか」

桐生が初めて店に来た日の夜に雫から聞いた話では、桐生の家族は叔父である常務に散々振り回され手を焼いているらしい。

自身の能力のなさを自覚できず、社長である兄がいずれ社長職を退いたあとは、桐生ではなく自分が社長になるべきだと考えているそうだ。

そのために、自身に都合がいい女性と桐生を結婚させていずれ会社から追い出そうと企んでいるらしい。

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