俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
小山は大きく顔を歪めた。

これまでの営業モードからガラリと変わり眉間にいくつもの皺が寄っている。

「遠慮って、それはないでしょ。そういえば他もここを狙ってるって小耳に挟んでるけど、そうなんですか?」

「それは……」
 
問い詰めるような語気の強さに里穂はたじろいだ。

実際にいくつかの会社から話があるのは事実だ。

「そういうことか」

小山は吐き捨てるようにつぶやいた。

「違います。それは関係ありませんし、すべてお断りしています」
 
小山は表情を消した。

「どんな提案なのか知らないが、うちの方が絶対この店のために――」

「いい加減にした方がいい。彼女にその気がないのはハッキリしてるんだ。どれだけいい条件だとしても押しつければそれは単なる嫌がらせだ」
 
ピシャリと言い放つ桐生に、小山は顔を歪めた。

「嫌がらせ? 俺はこの店のために提案してるだけだ。立地がいいだけで建物も設備も劣化して使いづらそうだし、経営状態もいいとは思えない」
 
小山はひと息にそう言うと、桐生を軽く睨んだ。

「誰だか知らないが、単なる客が首を突っ込んでいい話じゃないんだ、口を挟まないでくれ。営業妨害だって言うなら俺の仕事の邪魔をするそっちの方こそそうじゃないのか」

「小山さん、それは言いがかりです」

里穂は思わず声をあげた。店のことで桐生の怒りの矛先が桐生に向くのは筋違いだ。

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