俺の妻に手を出すな~離婚前提なのに、御曹司の独占愛が爆発して~
里穂はグランドピアノの前側の屋根を、蝶番の近くにキーカバーを挟んで慎重に折りたたんだ。
傷をつけるわけにはいかないので、毎回ヒヤヒヤする。
そして両足に力を入れて大屋根を持ち上げようとした時。
「俺に任せて」
背後から伸びた手が、大屋根を軽々と持ち上げた。
「え……? 蒼真さん?」
突然手元が軽くなり振り返ると、蒼真が腕を伸ばし立っている。
「あの、蒼真さん? どうしてここに?」
「それは俺が聞きたいんだけどな。まさかここで里穂さんに会うとは思わなかった」
蒼真は大屋根を突き上げ棒でしっかり固定されたのを確認し、里穂に顔を向ける。
「それに、笹原からもお母さんがこの講習会に参加してることは、聞いてない」
「あ、それは」
里穂は口ごもる。
雫は母親がメディカルメイクの参加者だということを、恭太郞以外社内の誰にも言っていないのだ。
佳也子にとって杏は人生を明るい方向に導いてくれた恩人。
もしも自分が何らかの事情で会社を退職した場合、その後佳也子が講習会に参加しづらくなったり杏との関係に変化があったりしたら申し訳ない。
考えすぎかもしれないが、佳也子から大切な場所を奪いたくなくて、内緒にしているのだ。
けれどとうとう蒼真にばれてしまった。ごまかすことなくちゃんと話しておいた方がよさそうだ。
「あの」
傷をつけるわけにはいかないので、毎回ヒヤヒヤする。
そして両足に力を入れて大屋根を持ち上げようとした時。
「俺に任せて」
背後から伸びた手が、大屋根を軽々と持ち上げた。
「え……? 蒼真さん?」
突然手元が軽くなり振り返ると、蒼真が腕を伸ばし立っている。
「あの、蒼真さん? どうしてここに?」
「それは俺が聞きたいんだけどな。まさかここで里穂さんに会うとは思わなかった」
蒼真は大屋根を突き上げ棒でしっかり固定されたのを確認し、里穂に顔を向ける。
「それに、笹原からもお母さんがこの講習会に参加してることは、聞いてない」
「あ、それは」
里穂は口ごもる。
雫は母親がメディカルメイクの参加者だということを、恭太郞以外社内の誰にも言っていないのだ。
佳也子にとって杏は人生を明るい方向に導いてくれた恩人。
もしも自分が何らかの事情で会社を退職した場合、その後佳也子が講習会に参加しづらくなったり杏との関係に変化があったりしたら申し訳ない。
考えすぎかもしれないが、佳也子から大切な場所を奪いたくなくて、内緒にしているのだ。
けれどとうとう蒼真にばれてしまった。ごまかすことなくちゃんと話しておいた方がよさそうだ。
「あの」