エリートなあなた
彼らが同じ大学出身と知っているから余計に、課長の気持ちを思うと胸が痛む。
ちくり、ちくり、針が刺さるような歯がゆさ。…見ているだけで、何も出来ない自分。
「まあいいよ。それで吉川さん、次なに飲むか決めた?」
「あ、えー、と。グラスワインの赤を、」
「それならボトルで頼もうか。
待たせたお詫びに遠慮はいらないからね?」
と、注文伺いに来た店員さんに、ボトルごと注文してしまった。
「ありがとうございます」
あとはどうする?と、尋ねて来るその表情も穏やかで微笑んで首を振った。
――そうだ、久しぶりに笑った顔が見られただけで…、部下としては見て貰えているのだから。