エリートなあなた
次第に頼んでいた料理も運ばれて来て、私の目の前にはワインボトルが置かれた。
「飲めなくなるまでどうぞ」と――イタズラに笑った課長の前には日本酒の徳利。
無礼講だという今日の飲み会。そのため私も磨かれたワイングラスへ赤い液体を注ぐ。
「課長、…日本酒好きですか?」
「何でも飲むけど、やっぱり日本人は米だろ?」
当然といった様子でお猪口を傾ける彼の言葉に、声を上げて笑ってしまう。
「どうかした?」
それにきょとん、としたのは課長。理由を探る目が向けられて鼓動が跳ねる。
「す、すみません…、父と同じことを言われたので、つい」
素直に白状すればダークグレイの目が見開いた。そしてフッと、頬を緩ませた彼。
「初めてだよね、」
「…え?」
ポツリ呟かれた言葉の意味が分からず、首を傾げていた。