エリートなあなた
暫くして大通りで捕まえたタクシーに2人で乗り込むと、彼が告げた先それは青山のタワーマンション。
“迎えに来て欲しい”と言ったのだから当然だけれど、…本当に時間を作ってくれたことが幸福感でさらに私を包む。
金曜夜の街並みはどこか活気が感じられ、店舗の優しい光と通りを行き交う人々の表情も明るい。
さらには対向車の車のライトやテールランプたちが視界に色を添えていた。
「お酒くさくないですか?」
「うん、」と言われてしまい、ラストをウーロン茶にしたけれど無意味だったのか。
項垂れているところへ名前を呼ばれ、隣の彼を見上げたところへ落とされたキス。
「これで俺もアルコール検知されたり?」
ほんの少し掠めた触れるだけのそれと言葉に、カッと体内温度は急上昇していく。
「…そ、そんな風邪の菌みたいに移りませんよ!」
薄暗い車内で捉えたダークグレイの眼差しがどこか扇情的で。
パッと逸らした私は、膝上に置いた手へ慌てて視線を落とす。