エリートなあなた
その様子をじっくり眺めていると、ついて出るのはもちろん溜め息だけである。
一旦、満足したのか今度は紅茶で喉を潤す母がある意味、冷静さを取り戻してくれた。
――鋭いよね、さすがに。仕事で家にほとんどいなかったのに、そこまで見抜くの…?
一気に捲し立てるだけの口調とスピードは衰え知らず。さすが法律事務所に務めていただけあるな、と感動さえ覚えた。
「…で、どうなの真帆ちゃん!」
「ハイハイ…、お母さんの言うとおりよ」
そんな母に勝てるわけもなく、投げやりに返してシフォンケーキをぱくりと口へ運んだ。
「あらー良かったじゃない…!もちろん真剣なお付き合いよね?
――で、一体どういう方なのっ!?」
認めてあっさり終わり――とは考えが甘かった。嬉々とした声がますます高くなった。
瑞穂といい松岡さんといい、…芸能リポーターばりの尋問をする人が多いと感じるこの頃だ。
「んー、…同じ会社の方で5歳上かな?
…ちょっと事情があって、周りには秘密なんだけどね」
それでもツッコミが入るあたり、こうして誘導に引っかかる私に原因があるのだろう。
修平さんを思い浮かべるだけで顔が赤くなるなんて。相当、重症かもしれないけれど。