無愛想な天才外科医と最高難度の身代わり婚~甘く豹変した旦那様に捕まりました~【職業男子×溺愛大逆転シリーズ】
玄関の扉を閉め、ようやく二人きりになれると、たちまち抱きしめられた。
肺いっぱいに真紘の匂いが満たされる。
やっと彼の元に帰ってこれたのだと思うと、胸が熱くなった。
「真紘さん、ごめんなさい……私、わたし……ほんとうに、ごめんなさい……」
何度謝っても足りない。なのに声が震えてしまう。胸に満ちる熱いものが激しく波打っていて、抑えることができない。
何度も嗚咽を漏らす由惟の背中を、真紘が優しく撫でた。
「……もう謝るな。俺の方こそ悪かった。冷静さを欠いて、おまえを酷い言葉で詰った。ちゃんと落ち着いて考えれば、由惟にも事情があったんだとわかったはずなのに」
「真紘さんは悪くないです。私が、全部悪くて……」
「もういいって」
屈んだ真紘が謝罪の言葉を呑み込むように由惟の口を塞いだ。キスは慈雨のように由惟の唇に何度も降ってくる。
優しくて、とても愛しくて。
失くしたと思った温もりに触れて、また情緒が乱れた。由惟の顔はたちまち涙でグシャグシャになる。
「……離れている間にずっと考えてた。由惟の言葉が全部嘘だったとしても、俺自身がこの先どうしたいのかを。でも何度考えても、結論は同じだった。俺がそばにいてほしいのは由惟だけなんだ。病院がどうとか、素性が違うとか、そんなの関係ない。俺はただ由惟が、由惟だけが欲しいんだ」
眼差しに乗った熱で、全身が焦がされてしまいそうになる。真紘の胸に顔を埋めて、由惟は何度も頷いた。
「わた、わたしも、ずっと、会いたかった……真紘さんと、ずっと一緒にいたいって……でも、もう会えるわけないって、思ってたから……」
「ああ」
「真紘さん、ありがとうございます……私を許してくれて……私を助けてくれて……」
「ああ……本当に無事でよかった……」
噛み締めるような真紘の言葉に、由惟の眦からまた一筋、涙がこぼれ落ちた。
肺いっぱいに真紘の匂いが満たされる。
やっと彼の元に帰ってこれたのだと思うと、胸が熱くなった。
「真紘さん、ごめんなさい……私、わたし……ほんとうに、ごめんなさい……」
何度謝っても足りない。なのに声が震えてしまう。胸に満ちる熱いものが激しく波打っていて、抑えることができない。
何度も嗚咽を漏らす由惟の背中を、真紘が優しく撫でた。
「……もう謝るな。俺の方こそ悪かった。冷静さを欠いて、おまえを酷い言葉で詰った。ちゃんと落ち着いて考えれば、由惟にも事情があったんだとわかったはずなのに」
「真紘さんは悪くないです。私が、全部悪くて……」
「もういいって」
屈んだ真紘が謝罪の言葉を呑み込むように由惟の口を塞いだ。キスは慈雨のように由惟の唇に何度も降ってくる。
優しくて、とても愛しくて。
失くしたと思った温もりに触れて、また情緒が乱れた。由惟の顔はたちまち涙でグシャグシャになる。
「……離れている間にずっと考えてた。由惟の言葉が全部嘘だったとしても、俺自身がこの先どうしたいのかを。でも何度考えても、結論は同じだった。俺がそばにいてほしいのは由惟だけなんだ。病院がどうとか、素性が違うとか、そんなの関係ない。俺はただ由惟が、由惟だけが欲しいんだ」
眼差しに乗った熱で、全身が焦がされてしまいそうになる。真紘の胸に顔を埋めて、由惟は何度も頷いた。
「わた、わたしも、ずっと、会いたかった……真紘さんと、ずっと一緒にいたいって……でも、もう会えるわけないって、思ってたから……」
「ああ」
「真紘さん、ありがとうございます……私を許してくれて……私を助けてくれて……」
「ああ……本当に無事でよかった……」
噛み締めるような真紘の言葉に、由惟の眦からまた一筋、涙がこぼれ落ちた。