早河シリーズ第五幕【揚羽蝶】
『佐々木さんのブログ、URLはわかりますか?』
「部下に聞けばわかる子がいると思います。お知りになりたければ後で聞いておきましょうか?」
『お願いします。話を聞く限り、佐々木さんは男性関係が派手なように感じました』
「そうね。奔放で男好きって言うのかしら。でも彼女、ただの男好きでもないのかもね。大学時代の元カレが忘れられないと言っていたのを耳にしたことがあるから。元カレを忘れるために無理して色んな男と遊んでる印象でしたね」
早河となぎさは横目で視線を合わせる。里奈の大学時代の忘れられない元カレが隼人だ。
「女を不幸にする男はごまんといます。でもいくら元カレを忘れるためでも今回の男は危険ね」
市川部長の左手薬指に指輪はない。彼女がこれまでどのような恋愛をしてきたのか、なぎさは無性に気になった。そう思わせるくらいに彼女は達観している。
『それは市川さんの直感ですか?』
「そうです。佐々木さんがどんな男と付き合って捨てられて泣かされようが私には関係のないことですけど……。今回の佐々木さんの無断欠勤にはいつもと違うものを感じました。私のただの直感なので参考までに」
『貴重なご意見ありがとうございます。最後に、佐々木さんのご住所を教えていただけますか?』
市川はじっと早河を見つめる。早河も市川から目をそらさなかった。
「彼女に何かあってもうちには迷惑はかからない、と絶対に言い切れます?」
『絶対、なんてものはこの世にはありませんからお約束はできません。ですが、こちらにご迷惑がかからないよう努力はいたします』
早河を見つめていた市川が声をあげて笑った。
「あなた、面白い人ね」
『どちらかと言うとつまらない人間だと思いますよ』
「ふふっ。私、男は面白い人が好きなの。いいわ、住所は教えます。でもうちに登録してある住所ですから今はここにはいないかもしれませんよ?」
『構いません。またそこから追いかけるだけです。鬼ごっこは得意なので』
「やっぱり面白い人。少しお待ちになって。ついでに佐々木さんのブログのURLも聞いてきます」
市川部長が応接室を出ていった。張り詰めた空気が解けてなぎさはホッと息をつく。
「部下に聞けばわかる子がいると思います。お知りになりたければ後で聞いておきましょうか?」
『お願いします。話を聞く限り、佐々木さんは男性関係が派手なように感じました』
「そうね。奔放で男好きって言うのかしら。でも彼女、ただの男好きでもないのかもね。大学時代の元カレが忘れられないと言っていたのを耳にしたことがあるから。元カレを忘れるために無理して色んな男と遊んでる印象でしたね」
早河となぎさは横目で視線を合わせる。里奈の大学時代の忘れられない元カレが隼人だ。
「女を不幸にする男はごまんといます。でもいくら元カレを忘れるためでも今回の男は危険ね」
市川部長の左手薬指に指輪はない。彼女がこれまでどのような恋愛をしてきたのか、なぎさは無性に気になった。そう思わせるくらいに彼女は達観している。
『それは市川さんの直感ですか?』
「そうです。佐々木さんがどんな男と付き合って捨てられて泣かされようが私には関係のないことですけど……。今回の佐々木さんの無断欠勤にはいつもと違うものを感じました。私のただの直感なので参考までに」
『貴重なご意見ありがとうございます。最後に、佐々木さんのご住所を教えていただけますか?』
市川はじっと早河を見つめる。早河も市川から目をそらさなかった。
「彼女に何かあってもうちには迷惑はかからない、と絶対に言い切れます?」
『絶対、なんてものはこの世にはありませんからお約束はできません。ですが、こちらにご迷惑がかからないよう努力はいたします』
早河を見つめていた市川が声をあげて笑った。
「あなた、面白い人ね」
『どちらかと言うとつまらない人間だと思いますよ』
「ふふっ。私、男は面白い人が好きなの。いいわ、住所は教えます。でもうちに登録してある住所ですから今はここにはいないかもしれませんよ?」
『構いません。またそこから追いかけるだけです。鬼ごっこは得意なので』
「やっぱり面白い人。少しお待ちになって。ついでに佐々木さんのブログのURLも聞いてきます」
市川部長が応接室を出ていった。張り詰めた空気が解けてなぎさはホッと息をつく。