(一)この世界ごと愛したい
「…疲れたー。」
「ああ、もう寝てろ。」
本当に疲れたんだけど。
正直めちゃくちゃ眠たいけど。
やっと取り戻せたこの日常に、胸がいっぱいで寝るのが勿体ないと思った。
「ハルは、私より先に寝ないでね。」
「はあ?」
「ハルの寝顔はもう見たくない。」
嫌ってほど見てきたから。
また起きなかったらどうしようって怖くなりそうな気もするから、絶対見たくない。
「ルイ。」
「あ?」
「言ってることは暴君なのにリンが可愛すぎる。どうしよう。」
「今に始まったことじゃねえだろ。」
こんな時間が、ずっと続いてほしい。
三人で、国や戦に囚われず、こうしてのんびり暮らせたらどれほど幸せだろうか。
大好きな二人が傍らにいてくれる。
そんな幸せを噛み締めていたら、ふっと意識が遠のいてきて。また三日間寝倒すのもいいなと考える。
「おやすみ、リン。」
ハルの声が遠くで聞こえた時に、私は一気に夢の世界へ引き込まれた。