(一)この世界ごと愛したい
ハルとるうは、眠る私を見つめて。
必死に解決策を探る。
「…俺がもっと分かってやれてたら、こんなことにならずに済んだな。」
「お前は馬鹿か。」
「あ?」
「リンはお前にだけは分かってほしくなかったんだ。」
るうは意味が分からないようで。
頭に疑問符を浮かべてハルを見る。
「お前にだけは、嫌われたくなかったんだ。」
「…嫌わねえし。なんかこの話リンともした気がするな。」
「リンは俺よりもお前を認めてる。失望されたくねえ、情けねえとこは見せたくねえって昔から健気に頑張ってた。」
寝耳に水な話に、るうは驚く。
物心ついた頃からハルの従者として側にいたるう。
普段仕えているのがハルなだけに、どうにか自分が見劣りしないように努力していた幼少期。
ハルに比べれば私なんてちっぽけな存在だから。
頑張らなければるうが離れていってしまうと、私のことなんて相手にしてくれなくなると。そう思ってここまで一緒に過ごしてきたら、もう今ではそれが当たり前になってしまっていた。
「んなことコイツ言わねえんだよな。」
「それがまた可愛いんじゃねえか。」
「確かにそうだけど…。ハル、ちょっとリン貸せ。」
「ふざけんな誰が渡すか。フラれたくせに。」