(一)この世界ごと愛したい
「おい。」
「は、はいっ!」
「この店の本、全部くれ。」
ここでハルがぶっ飛んだ発言をする。
ぶっ飛びすぎて、店員さんの涙も引っ込んだ。
「え…ぜ、全部…ですか?」
「リンは本がほしいっつってんだ。だから全部買う。」
「いや…ハル様、しかし…。」
「ルイ、金。」
私全部はいらないですよー。
こんなにたくさん読む時間なんてないしー。
と、考えた時。
ニヤリと笑ったハルを見て悟った。
本が大好きな私が、未知なる本を見ると読みたくなるその本質をついて。旅立ちまでの時間を稼ぐつもりなんだなーと。
「…性悪。」
「なんか言ったか?」
「別に。でもるうお金大丈夫?」
「心配いらねえよ。ルイはアレンデールで一番の金持ちだからな。」
そうだったの!?
るうは確かに物欲ないし、散財するイメージないけど。実はそんなに貯め込んでたのか…。
とりあえずこの書店から溢れるほどの本を抱えて行くわけにはいかないので、城へ後日届けてもらうことになったらしい。
きちんと支払いを終えたるうが、先に店から出ていた私とハルに合流。
「るうごめん!城に戻ったらお金ママに頼んで払ってもらうから!」
「いらん。」
「ルイの金はリンの金だもんなあ?」
「うるせえよ。」