(一)この世界ごと愛したい
そんな話をしていたら、もう王都。
国門の前まで来てしまった。
それはそれは、国民達が盛大に迎えてくれて。
各々馬から降りて、ここからは歩いて向かうことにした。
「姫様ー!!!」
「おかえりなさーい!!!」
沢山の歓声をもらって、私は微笑む。
「みんな元気そうでよかったー。」
「そうだな。」
「…城壁の復興も問題ないね。あ、軍部にちょっと寄っていい?」
「お前なあ…。」
ハルが呆れたように溜め息を吐く。
そして、次の瞬間。
そんなハルが突然私を抱き上げた。
「ハルっ!?」
「…もう大丈夫だから、お前は何も気にすんな。」
「でも…。」
「でもじゃねえ。とにかく国のことは考えるな。もうそれ以上何も背負わなくていい。」
そうだった。
今は、ハルがいるんだった。
もう私がやらなきゃって考えるのが当たり前になってたことに、自分自身で驚いた。
「…うん、わかった。」
「よし。」
満足そうにハルが笑ったから、思わず私も笑ってしまう。
「ハル様と姫様、相変わらず仲睦まじいこと。」
「見てるだけで幸せな気持ちになるな。」
「辛い旅路を乗り越え、ようやく会えたお二人だ。さぞ嬉しいだろうな。」
「陛下も天国でお喜びだろう。」
微笑み合うハルと私。
その姿を、国民達も嬉しそうに見つめ。
感動して涙を流す者もいる中。
「…どこまで抱えて練り歩く気だ。」
「見苦しい嫉妬はやめとけ。俺とリンは一心同体だから仕方ねえだろ。」
「気色悪いこと言うな。」
「んだと?」