(一)この世界ごと愛したい
またまたハルとるうが小競り合い。
ハルは私を抱えたままなので、必然的に私が間に挟まれる。
「無理矢理引っ剥がすぞ。」
「やってみろ。俺はリンを離さん。」
「リンは俺が見てるからお前は国のことに専念してろ。そんなんで王が務まんのかよ。」
「王にはならねえよ。」
二人の小競り合いをいつものことだと、右から左に会話を流して聞いていた私。
だけど、思わずハルを見る。
…王に、ならない???
「ハル…?」
「ん?」
「ならないの?」
「ああ。」
それが当然だと思っていた。
当たり前にハルが王になって、この国を導いていくんだと。
「なんで?」
「そもそも俺には向かねえし。」
「向き不向きの問題じゃない気がするんだけど。」
「俺は国のことなんて、お前ほど真剣に考えてねえからな。」
私は、自惚れていた。
ハルが私のことを分かってくれるように、私もハルのことを分かってあげられていると。
このアレンデールのことを、真剣に考えていないと言ったハルの言葉に嘘の気配を感じない。
…本心、なんだね。