(一)この世界ごと愛したい
急にハルが知らない人みたいだ。
これまでずっと国のために、一緒に戦い続けてきたんだと。勝手に思っていた。
「……。」
「お前は相変わらず自分のことに疎いな。」
城門の前に辿り着いた。
私のド派手に火龍お披露目大作戦、決行の地。
「俺は、お前が生まれた時に誓ったんだ。」
「え…?」
「この国が例え滅んでも、お前だけは守り抜く。」
そう言って、ハルは私を地に降ろす。
「だから俺はこの国の王にはならねえ。リンと国を天秤に掛けられても、俺は迷わずリンを選んじまうからなあ。」
不謹慎にも、少しだけ笑ってしまった。
そうか。
ハルは、どこまでもハルだ。
そんな真っ直ぐなところが、眩しくて羨ましくて、大好きだったんだった。
「…アルにちゃんと謝ってよ?」
「分かってる。」
「大きくなるまではハルが支えてあげるんだよ?」
「お前もな?」
…意地悪なこと言うところがたまに傷だ。
「確かに私にも、この国の行く末を…見届ける義務はある…か。」
私はふわりと、天に両手を掲げる。
「…さて。派手に帰ろうかな。」
空に大きな火の花を。
溢れんばかりに咲かせてみせる。
温度を変化させることで、炎は様々な色に変化して光輝く。
「…んー。夜だともっと綺麗だったろうなー。失敗失敗。」
王都の人々がこの空を見上げる。
急に魔法のような力を使う私に驚いたことだろう。