(一)この世界ごと愛したい
「じゃ、一足先に城に行ってるね。」
「…ああ。」
私は誰も傷付けることない炎を燃え上がらせて、上昇気流で舞い上がる。
まるで言葉の通り、炎の龍と共に空を駆けるように城までそのまま飛んで行くことにした。
「…すっげーな。」
「もう御伽話みてーだ。」
私が飛び立った後。
ハルとるうが、そんな私の姿を見て声を漏らす。
「…こうやって、リンは遠くに飛んで行くんだろうなあ。」
「……。」
「俺は今、不思議な感情だ。」
「は?」
未だ枯れることなく咲き誇る、空の花を見上げてハルが笑う。
「死んでも離れたくねえのに。俺は、大空へ飛んで行った後のリンの新たな道を、見てみたいとも思ってる。」
るうはそんなハルの言葉が、少し腑に落ちた気がしていた。
「俺はやっぱり、リンが幸せなら…それでいい。」
「…そりゃそうだ。」
ハルとるうは、そう笑い合いながら。
私を追って城へと足を進める。